名古屋大学U研X線グループ
名古屋大学大学院理学研究科 素粒子宇宙物理学専攻 宇宙物理学研究室
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硬X線とその観測意義
多層膜スーパーミラーとは
気球観測実験
「ひとみ」衛星
将来に向けて
第1回:2001.7.6
写真集
第2回:2004.5.31
第3回:2004.9.16
 
研究概要
将来に向けて
 将来の観測衛星搭載を考え、硬X線望遠鏡の更なる性能向上として、我々は以 下のような目標を掲げています。
  1. 新しい基盤技術の開発による、空間分解能の向上
  2. さらに高いエネルギーでも高い反射率を持つ多層膜スーパーミラーのデザ イン
1.の目標については、SiCや繊維状炭素等の新しい軽く丈夫な材質の導入をは じめとして、精度の高い母型の開発などを行っています。
2.についてはBraggの1次ピークだけではなく2次やさらに高次のピークまでを効率的に利用した今までの既成概念に捕らわれないような、新しいデザインを試作しています。

さらに、多層膜技術の応用として、多層膜を反射面に用いた回折格子の開 発も行っています。回折格子はX線でも非常に高いエネルギー分解能を持った分光素子として、アメリカのチャンドラ衛星やヨーロッパのニュートン衛星に使用されています。しかしながら、数keV以下の低いエネルギーに対してしか 感度を持たないという欠点があります。宇宙の進化のカギを握る元素である鉄 の輝線は6keV以上の比較的高いエネルギーに出てくるため、現在の回折格子で は十分な効率で観測ができません。そこで、回折格子の表面に多層膜をつけてやることにより、高い効率で観測が行えるようになります。

現在案に上っている将来計画として、日本の次期硬X線天文衛星FORCE(資料1資料2)などがあり、望遠鏡として多層膜スーパーミラーを 用いた硬X線望遠鏡を予定しています。今まで誰も見ることのでき なかった新しい宇宙の姿を観測していきたいと思っています。
 
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