現地時間2001年7月5日に打ち上げられた気球は,翌朝テキサス州ミッドランド付 近で無事に回収されました。ゴンドラそのものはほぼ無傷で回収できました。 (打ち上げ時,またゴンドラの回収についてはこちらを参照)
このページでは,現在解析中のフライトデータについてその速報をお知らせします。
図1(上)は打ち上げ直後から,切り離し直前までのゴンドラの高度を表していま す。横軸の時間はUTです。ゴンドラはバラストを落しつつ順調に高度をあげて行 き,約4時間後,5時(UT)くらいにレベル高度の約40kmに到達しました。このレベ ル高度で天体の観測を行います。
図1(下)はフライト中の光度曲線です。ゴンドラは2時(UT)くらいに高度10kmに 達し,この時大気散乱によるバックグラウンドは最大になります。その後バッ クグラウンドは徐々に減少していきます。
レベル高度に到達する直前,4時41分(UT)から望遠鏡を観測天体である Cyg X-1 に向け観測を開始しました。観測を開始したもののゴンドラの姿勢制御が 完全ではなくゴンドラ自体の揺れを完全に消すことはできませんでした。しか し,望遠鏡は Cyg X-1 付近を向いていてくれたようで,何度か Cyg X-1 をと らえることに成功しました。望遠鏡は仰角75度までしか動かすことができない ため,Cyg X-1 の仰角が75度に達する6時42分まで観測をしました。図1(下)で 観測時間帯にいくつかのピークが見えます。これが Cyg X-1 をとらえたと思 われる瞬間です。