名古屋大学U研X線グループ
名古屋大学大学院理学研究科 素粒子宇宙物理学専攻 宇宙物理学研究室
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第1回:2001.7.6
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第3回:2004.9.16
 
研究概要
InFOCuS 観測結果 速報 第1回:2001.7.6

 現地時間2001年7月5日に打ち上げられた気球は,翌朝テキサス州ミッドランド付 近で無事に回収されました。ゴンドラそのものはほぼ無傷で回収できました。 (打ち上げ時,またゴンドラの回収についてはこちらを参照)
このページでは,現在解析中のフライトデータについてその速報をお知らせします。

図1(上)は打ち上げ直後から,切り離し直前までのゴンドラの高度を表していま す。横軸の時間はUTです。ゴンドラはバラストを落しつつ順調に高度をあげて行 き,約4時間後,5時(UT)くらいにレベル高度の約40kmに到達しました。このレベ ル高度で天体の観測を行います。

図1(下)はフライト中の光度曲線です。ゴンドラは2時(UT)くらいに高度10kmに 達し,この時大気散乱によるバックグラウンドは最大になります。その後バッ クグラウンドは徐々に減少していきます。

レベル高度に到達する直前,4時41分(UT)から望遠鏡を観測天体である Cyg X-1 に向け観測を開始しました。観測を開始したもののゴンドラの姿勢制御が 完全ではなくゴンドラ自体の揺れを完全に消すことはできませんでした。しか し,望遠鏡は Cyg X-1 付近を向いていてくれたようで,何度か Cyg X-1 をと らえることに成功しました。望遠鏡は仰角75度までしか動かすことができない ため,Cyg X-1 の仰角が75度に達する6時42分まで観測をしました。図1(下)で 観測時間帯にいくつかのピークが見えます。これが Cyg X-1 をとらえたと思 われる瞬間です。

図1:気球フライト中のゴンドラの高度と高度曲線
図1

 図2は,図1(下)の中で観測時間帯である5時から7時の間を拡大し,また,観測 エネルギー帯である 20 - 40 keV に相当するエネルギーのみを取り出した光度曲線です。

Cyg X-1 からの予想強度は 1 counts/sec 程度です。この光度曲線の中で5箇 所ほど優位にピークが検出できています。この中で特に6時36分付近のピーク は予想通りの強度であり,Cyg X-1 が数分間視野の中に滞在していたのが分か ります。

図2:Cyg X-1 観測中の光度曲線(20-40 keV)
図2

 現在,X線のデータとゴンドラの姿勢のデータ(ジャイロ,スターカメラ) から Cyg X-1 のイメージの再合成,スペクトルの解析を行っています。

InFOCuS気球実験 実況中継!!

 この実験は世界に先駆けて、多層膜スーパーミラーを用いた硬X線望遠 鏡を搭載した硬X線撮像観測実験です。この実験はNASA/GSFCとの共同実験で、 アメリカのテキサス州パレスティンのNational Scientific Balloon Facilityにて 7月3日に打ち上げ予定。

当日の予定 以下が当日の大まかなタイムラインです。これらは当日大きく変更される可能性があります。
最後の観測目標は現在未定です。この観測は、時間的に観測できない可能性があります。
現地時間/日本時間
15:30/05:30 ゴンドラ搬出
16:30/06:30 launch padにて作業開始
20:00/10:00 打ち上げ、望遠鏡回収クルー出発
23:00/13:00 レベルフライト、観測開始 (Cygnus X-1, A2142, HerX-1)
03:30/17:30 観測終了
06:30/20:30
望遠鏡回収ヘリコプター出発、回収
各ターゲットのトラッキング予報
Cygnus X-1 Abell 2142 Hercules X-1 トラッキング予報値の値の説明です。
現在の気球の位置情報 このページからPalestine GPS Data -Frames- Enabled をクリックして下さい。
注意: ここのネットワークは 細いために、GPSのページに大量のアクセスがあるとサーバーが落ちる場合があります。できる限り頻繁なアクセスは避けるようにして下さい。
  • 現在7月6日午後2時20分。快晴。望遠鏡の回収を確認。望遠鏡は無傷で回収された模様。

  • というわけで、硬X線望遠鏡による観測実験InFOCuSの第1回は終了 致しました。御協力くださった皆様、ありがとうございました。決して満足の いく結果とはいえませんでしたが、我々にとっては貴重な経験となりました。 もちろん、我々の研究はまだ始まったばかりで、この実験を糧に次の段階に進んでいくことになります。皆様、さらなる御協力をお願いすることになると思いますが、よろしくお願い致します。

  • 今のところの観測結果をまとめておくと、姿勢の大きな揺れのために Cygnus X-1に対して有効な観測を行なうことができなかった。姿勢はCygnus X-1がElevation75度を越えて見えなくなる頃に安定に向かっており、有意と思 われるカウント数の上昇を観測している。その時間はほぼ数分ほどで、100ー 200カウント程度が得られた。これ以上は解析を進めてみないと何 ともいえないが、姿勢が安定し始めた時にカウント数が上昇し始めたことから、 望遠鏡はCygnus X-1の周りを動き回っいたと考えられ、いくらかのフォ トンはデータから得られると思われる。残念ながら後半の観測はスターカメラ のテレメトリを失ってしまったために観測を行なうことができなかった。

  • 現在3時5分。気球は降下し始め、切り離しの準備にはいった。あとは、岡 島とフレッドの健闘を祈るだけである。色々と考えるところはあるが、今は考 えがまとまらない。今日はとりあえず何も考えずに眠ることにしたい。

  • 現在午前2時45分。大変辛いが、スターカメラのテレメトリは復活せず、 これ以上の観測は不可能になった。

  • 現在午前2時半。姿勢が安定してきたと思ったところでテレメトリーがま ともに受信できなくなった。気球の飛行時間は後1時間。CygX-1が再び見える ようになる時間ぎりぎりだ。

  • 現在午前1時45分。結局CygX-1をとらえることに失敗した。姿勢が安定す るのに予想以上に時間がかかってしまった。トランジッションを経て、もう一度CygX-1に向かえるか?

  • 只今午後11時23分。予想より高度が上がっていない。只今高度35km。

  • 只今午後10時40分、高度30km、バラスト再び投下。上昇中。

  • 只今午後10時15分。高度80,000ft。上昇中。バラスト投下、姿勢 制御開始。

  • 只今午後9時50分。高度65,000ft。上昇中。スターカメラに星をとらえま した。

  • 只今午後9時。気球は順調に高度上げ続けています。後1時間でレベルフライトに移る予定。今のところ大きなトラブルは発生していません。

  • 只今午後8時半。気球は無事放球され、観測の旅へと旅立ちました。

  • 現在午後5時40分。晴れ、無風。いま、"Tiny Tim"につれられてInFOCuS望 遠鏡がラウンチサイトへと向かいました。

  • 現在3時45分、晴れ。いよいよゴンドラがクレーンに吊られて、バラスト の取付と調整を行なっています。この後ラウンチ サイトへと向かいます。

  • 現在3時、いよいよ搬出が始まります。(kt)

  • 現在7月5日午後2時半。晴れ、微風。チェックが終り現在、保温材などの 取付を行なっています。後一時間で搬出です。(kt)

  • 本日のうち上げが決定、これからプラクティスを行なって午後の打ち上げ に備えます。(kt)

  • 現在7月5日午前8時半。天候快晴、無風。Scottは未だ端末と格闘中。 さて、今日は上がるのでしょうか。これから打合せです。(kt)
延期決定

度々どうもすいません。また延期です。朝のミーティングではあげようという話だったのですが、突然中 止決定が出ました。ドリフトモニターの問題です。一応明日の打ち上げになり ましたが、未だ不透明です。7月4日午後4時半。(kt)

  • 現在7月4日午後1時半。快晴、無風。ゴンドラは現在ハンガー内でPointing Testを行なっています。これが終了すると、望遠鏡の熱対策を行ない、いよい よ出陣します。(kt)

  • 現在7月4日午前11時半。快晴。いよいよ、打ち上げに向けて動き出します。 御期待下さい。(kt)

  • 現在7月4日(アメリカ独立記念日)午前9時半。天候曇。スコット=バーソロ ミュー登場。今のところゴンドラに問題はない模様。問題は天候。昨日もそう だが、今日も午後から雷雨の予想が出ています。今日こそあげられるのか。。(kt)

  • 現在7月3日8時20分。曇時々雨。朝早起きしてくれた方、もしいたらごめ んなさい。現在、ACSの修復が完了した模様。明日はなんとか。

  • 現在7月3日午後5時00分。天候曇時々雷。我々の心情を察するように雷がなっ ています。雨は降っていませんが、この天候ならどのみち無理だったか、とい うのは救いなのでしょうか。原因は姿勢制御系の機械的な故障のようですが、 ちゃんと把握していません。一応明日が次の打ち上げ予定となっていますが、 まだ先が見えない状態です。(kt)

延期決定
  • 現在7月3日午後1時45分。天候晴れ。姿勢制御系の突然のトラブルにより、残念なが ら順延が決定しました。とりあえず、次の打ち上げは期日は明日に設定される 予定。トラブルの内容、正式な打ち上げ期日は決定次第報告します。(kt)

  • 現在7月3日午前9時50分。天候曇、無風。いよいよ本日うち上げです。絶 好の打ち上げ日和とはいきませんでしたが、この天候なら問題なく上がるので は思います。天気予報では雷雨の可能性が20%ほどあるらしいですが、大丈夫 (だとおもいたい)です。ゴンドラの準備は順調に進み、出撃体制はほぼ整いつ つあります。おりしも明日はアメリカの独立記念日です。(kt)

  • 現在7月2日午後3時半。天候晴れ。Flight readiness meeting終了。明日にかけて 急な天気の崩れでもない限り、いよいよ明日の晩打ち上げられます。

  • 現在7月2日午後1時半、天候快晴。本日明日の打ち上げに関してFlight Readyとなりました。いよいよ、明日うち上げが行なわれます。(kt)

  • 現在7月2日午前10時30分、天候晴れ、無風。本日10時突然火災報知器がな り渡り、作業員全員に退避命令が出された。屋内には異様な匂いが立ちこめ、 2階からは煙が上がるという状況になった。この状況の中、避難は極めてすみ やかに行なわれた。作業員の冷静な判断が被害を最小限に押えたといえよう。 ただ、皆一様に笑っているかのように見受けられたのは、あまりの恐怖故か。 直ちに消防車がかけつけ、(NASA マークいり)消防員2人が酸素マスクをつけて の決死の消火作業に向かった。彼らの英雄的活躍により、5分後には火の手は 消し止められた。消防員(NSBFの職員だが) の素晴らしい働きをここに誉め讃 えておくものである。なを、この騒ぎによる実験計画の遅れはない。 (kt)

  • 現在6月27日午前11時。晴れ、無風。天気予報、特に長期予報が当たらな いのは日本もアメリカも同じようで。。。今日のWeather Briefingは午後3時 からです。まあ、今日はあげないという意味です。(kt)

  • 現在6月26日の午前9時。快晴、無風です。今日はとなりのハンガーに来て いた気球が上がります。そのためweather briefingはなしです。今日の打ち上 げはありません。テレメトリシステムが使えなくなるせいか、 まだ誰も来ていません。こちらはいつあがるのか、、、、(kt)

延期決定
  • 現在午前8時半、天候晴れ、無風。weather briefing 終了。姿勢制御系の 問題が解決しないため、残念ながら延期となりました。打ち上げは明日以 降に伸びてしまいました。明日も8時からweather biefingは行なわれます。(kt)
  • 現在午後9時半。天候晴れ、ほぼ無風。本日の作業はほぼ終了。後は帰っ て明日に備えるだけです。何事もなく無事うち上げが行なわれますよう。。 (kt)

  • 現在こっちの時間で6月24日の午後6時。ハードウェアのインストールはほ ぼ終了し、明日のうち上げを待つだけの状態になっています。明朝行なわれる weather briefingでうち上げが決定されるといよいよ打ち上げです。(kt)

 
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