しかし、もしニッケルが鉄の5倍ものアバンダンスを持っていなかったら、ASCAの観測で得られた7.5-8.2 keVの 強い輝線は何だったのだろうか、ということになる。
そこで、2) の場合
A85のHe-like Fe Kα線の光学的深さは〜1である。
そこで、ASTRO-E衛星XRSで観測した際に、共鳴散乱を受けない時(緑+赤のスペクトル)と受けた時(緑のスペクトル)に期待される 半径(projected radius)が 1/2 Rc以内 のスペクトルを次に示す。 赤い部分が共鳴散乱を受けて減少して観測される部分である。 この時、共鳴散乱の影響を大きく受ける輝線は、6.635、6.674、6.699keVの3本の輝線で、1〜2割減少する。 鉄のKβ輝線については、共鳴散乱の影響をほどんど受けないため、上の図で示した緑のスペクトルのままである。
(コア半径 Rc は、〜1' = 90 h50-1 kpc、βは0.52)
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