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装置写真 |
X線ビームラインは、我々の研究室で製作しているX線の望遠鏡、反射鏡の 特性を測定するために用いられています。 我々のビームラインは、図のようにX線発生装置、(二結晶分光器、)測定チェンバー(Chamber)からなっています。われわれの研究室には、図のような望遠鏡測定用の望遠鏡チェンバー、一般ミラー測定用のミラーチェンバーなどがあります。
X線発生装置から発生するX線は、真空に排気されたダクト中を通って、測定チェンバーに導かれます。そして、測定チェンバーにおいてサンプル、実際に衛星、気球などに搭載するフライトミラーなどの反射率測定などが行われます。
反射鏡、望遠鏡の性能を正しく把握するためには、実際に使用する状況と同じ状況で 測定するのが理想です。
望遠鏡は天体からの光を集光結像する道具ですね。
天体からの光は平行光であることから、同様の状況を作りだすためには、導入されるX線も出来るだけ平行であることが望まれます。X線発生装置から創り出されるX線は、完全な点から発生する光源ではなく、ある広がりを持った領域(たとえば1mm×1mmの正方形の大きさ)からの光源といえます。極端な話をすると、この正方形の光源を正面から1mmの距離で見ると、正方形の上辺から来る光と、下辺から来る光は全く違った方向から来る光に見えます。しかし、これを10m離れてみると、ほとんど同じ方向から来る光に見えます。つまり、平行光ということができます。
つまり、出来るだけ平行な光をつくり出すには、光源から出来るだけ離れたところでその光を見る、ということになります。
したがって、X線発生装置から発生するX線を、すぐとなりにチェンバーを設置して、受けるのでなく、わざわざ真空に排気されたダクトを通して、光源ーサンプル間距離を長くしてチェンバーに導入することで、より平行度の高い光を創り出しているのです。 X線ビームが一直線(ライン)にダクトを通してチェンバーに進んでますね。X線ビームラインというわけです。
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