近傍の天体のX線観測 激変星
一言にX線といっても、そのエネルギー範囲は広く、低い所では紫外線との境界付近の0.1keVあたりから、高い方では1000keVあたりまでのエネルギーを持つ電磁波のことを指します。(X線も電波や可視光、赤外線といった電磁波の一種です。) その中で、現在、X線天文学において注目しているエネルギー範囲はだいたい 1keV〜100keVあたりになります。
ところで、検出器にはそれぞれ使用できるエネルギー範囲 があります。例えば、X線検出器のなかで良く用いられるものの一つに気体を用いた 比例計数管があります。しかし、X線はエネルギーが高くなるにつれて透過力が強くなるため、比例計数管のように気体を用いた検出器では、X線を捕らえることができなくなります。そのため、高いエネルギーでは固体を用いた検出器( 半導体検出器、 シンチレーション検出器、 X線CCDカメラ(文責 吉岡)など)を使用します。