半導体検出器は半導体中に電荷のキャリアの存在しない空乏層を持っています。空乏層は絶縁性が良いので強い電場をかけることができます。ここにエックス線が入射すると電子と正孔の対ができます。それらの電子と正孔はそこにかけられている電場よってそれぞれ陽極と陰極に引かれていき、これが電気信号となって検出できます。 エックス線が電子と正電荷の対を作り出すという部分は比例計数管も半導体検出器も変わりませんが、一方は気体を用い、もう一方は固体を用いていることで性能の差が現れ、それにより比例計数管と半導体検出器とで用途が異なってきます。物質の種類にもよりますが、一般的気体よりは固体の方がエックス線を捕らえる性質に優れているので、半導体検出器の方がより高いエネルギーのエックス線を検出することが可能です。
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